ハウスみかんはなぜ甘い?温度で操る呼吸の話。(前編)

みかんについて

夏の暑い日、冷やしたみかんをひとつ口に入れる。ひんやりとしたハウスみかんの果汁がジュワッと広がって、思わずため息が出るような甘さ。…この体験、まだ知らない方のほうが多いかもしれません。

ハウスみかんとは?

ビニールハウスの中で、温度・湿度を人の手でコントロールしながら育てるみかんのこと。露地栽培の冬みかんとは異なり、夏(5〜8月)に収穫される。

国内のみかん生産量のわずか 2.5% しか流通しない、希少な果実。

この記事では、ハウスみかんの甘さが温度でどう変わるのか、食べる時の温度・栽培中の温度、それぞれの視点でハウスみかん農家独自の視点から紐解いていきます。

この記事は、ハウスみかん全国生産量の1%を担う、唐津・浜玉の大場農園園主HIROが書いた、ちょっとマニアックなnote記事を元に、妻のCHISAがリライトしてお届けしています。

この記事でわかること

  • みかんが「呼吸する生き物」であること
  • 気温が上がると呼吸が速くなり、甘さが削られていく仕組み
  • ハウスみかんとは何か

農家の現場・産地・産地直送のこだわりは、後編でお届け。

みかんも、暑いと「息切れ」する。

みかんをペットのように、擬人化して想像してみてください。
みかんは生きています。収穫前も収穫後も、ずっと呼吸をし続けている。
人間が走ると息が上がるように、みかんも気温が高くなると呼吸が速くなり、エネルギーをたくさん消費してしまう。

農学的な目安として、気温が10℃上がると呼吸のペースは約2倍になるというデータがあります。

そして、ここが大事なポイント。

みかんが呼吸をするとき、エネルギーとして使うのは実の中に蓄えられた糖分や酸。つまり、呼吸が速くなればなるほど…

ハウス内でたわわに実るみかんの木のアップ。alt:「ハウスみかん 栽培 温度管理」

「甘さ」は、じつは削られていく。

甘さが消費されていく、というのは少し逆説的に聞こえるかもしれません。でも、整理するとシンプルです。

気温が高い → みかんの呼吸が速くなる
呼吸が速い → 糖分・酸が消費される
糖分が消費される → 甘さが削られていく

だから、ただ暑ければいいわけではありません。むしろ、暑さをどう「上手に使うか」が、ハウスみかんの甘さを決める鍵になるのです。

この記事の続きは後編で

ハウスみかんはなぜ甘い?温度で操る呼吸の話。(後編)

大場農園では、自ら育て食べ頃をお届けするハウスみかん「夏織(なつおり)」を通販で販売しています。佐賀県唐津市浜玉町で、温度と時間をかけて農家が育てた、夏だけの特別なみかん。どうぞお試しください。

後編を読む

ハウスみかんはなぜ甘い?温度で操る呼吸の話。(後編)

この記事を書いた人

HIRO&CHISA
HIRO&CHISA

大場農園の3代目園主で、みかん作りに没頭する職人気質なオット・HIRO。彼が綴るマニアックな栽培の記録を、妻の私CHISAが分かりやすくリライトしてお届けしています。
私が農家として暮らす中で「へぇー!」と驚いた発見や、美味しさの裏側に隠された秘密をまとめた夫婦の合作ブログ。この知識が、皆さんの「みかんを味わう時間」をより豊かにできますように。

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