【農家の知恵】思ったより酸っぱかった。そんな不知火(デコポン)を、お家で甘くする方法
楽しみにしていた不知火(デコポン)の皮を剥いて、一口パクリ。「……あれ、思ったより酸っぱい!」とガッカリしてしまった経験はありませんか?
実はそれ、ハズレとは限りません。農家の目線から見ると「あと一歩で最高に美味しくなる、伸びしろたっぷりの状態」なのです。
今回は、すっぱい不知火に当たってしまった時に、お家でできる「甘くする裏技」と、農家が実践している保管の科学をご紹介します。
買った不知火がすっぱい!これって不良品?

いいえ、大丈夫です。
不知火はもともと、糖度も酸味もしっかり高く育つ品種です。収穫したての頃は酸味が強く、そこから時間をかけてゆっくりと酸が抜けていく(減酸する)ことで、濃厚な甘さが際立ってきます。
購入してすぐに「酸っぱい」と感じたなら、それは単純に「まだ酸が抜けきっていないフレッシュな状態」だったということ。少し手を加えて時間をかけてあげることで、おいしい不知火に導くことができますよ。
ただし、デコ頭が少し水っぽくなっている不知火(痛みはじめ・まだ食べられる!)や、乾いていない真新しい傷(生傷といいます)があるものは早く食べた方がいいので、これから説明する対策をする前に、果実をよくチェックしてくださいね!
ズバリ解決!お家で不知火の酸味を抜く2つの裏技

方法1. リンゴと一緒に袋に入れる(腐敗と隣り合わせの裏技)
どうしても早く甘くしたい時の強制的な裏技が、リンゴやバナナなどの「追熟する果物(クライマクテリック型)」と一緒にポリ袋に入れてしばらく置くことです。
リンゴからは、果実を成熟させる「エチレンガス」が大量に出ています。不知火自体は収穫後に追熟しない果物なのですが、外からのエチレンガスの影響を受けると一気に酸味が減ります。
ただし、これは諸刃の剣です。 エチレンは果実の老化を急激に進めるホルモンのため、酸が抜けるのと同時に「腐敗」のリスクが跳ね上がります。酸っぱくて食べられない時の最終手段として使い、腐らないようにこまめに様子を見て、早めに食べ切ってくださいね。
方法2. 新聞紙で優しく包んで寝かせる(農家おすすめの正攻法)
一番おすすめしたい安全で確実な方法が、「新聞紙で包んで冷暗所(5℃〜8℃程度)で寝かせる」ことです。急激な変化は起きませんが、本来の自然なペースでクエン酸が抜け、旨みが増していきます。
農家直伝!ただ置くだけじゃない「保管の科学」
「新聞紙で包んで、ただ置くだけ」の素朴な方法ですが、これには「水分・ガス・微生物の理屈」が詰まっています。
- 「新聞紙」をつかう。
- 不知火を裸で置くと乾燥してパサパサ(スアガリ)になり、逆にビニールで密閉した状態で周囲の気温が変化すると、結露してカビが繁殖します。
新聞紙は「高湿度だけど過湿ではない」小さな空気の部屋を不知火の周りに作ります。、酸素が少し減って二酸化炭素が少し増える「ゆるい改良大気」の層ができるため、果実の呼吸が穏やかになり、美味しさを長持ちさせながら酸味を抜くことができるのです。
- 重ねない
- 箱の中でみかんを何段にも重ねるのはNGです。上からの重みで下のみかんに「点」で圧力がかかり続けると、細胞の壁やペクチンが壊れてしまいます。そこから水っぽく軟化し、病原菌が侵入して一気に腐敗が進んでしまうからです。
- むやみに触らない
- 「柔らかくなったかな?」と何度も手で触って確かめたくなりますが、実はこれもNG。手で触って圧力がかかったり微細な傷が入ったりすると、細胞膜が破れて「エチレン」が誘発されます。
「柑橘を触る=その果実の寿命を少し削る」ということ。できるだけ触らず、そっと見守って。
まとめ:味の変化を観察するのも柑橘の醍醐味

酸っぱい不知火に出会ってしまった時は、「ハズレだ」と諦めずに、新聞紙で優しく包んで少しだけ「時間」という魔法をかけてみてください。
どのくらいの甘味と酸味のバランスが好きか、実はコレ、人によって大きく違う。
「今日は少し甘くなったかな?」「薄皮が柔らかくなった!」と、ご家庭の冷暗所で美味しく育っていく様子を観察して、頃合いを見て食べた不知火がとても自分好みのバランスだったら、その日1日、きっとHappyに包まれるはず。
そんな楽しみ方も、不知火ならではの醍醐味です。

『海と空とみかん』のオンラインショップでは、その年の気候に合わせて私たちが一番美味しいと自信を持ってお出しできる不知火をご用意しております。春だけの特別な味わいを、ぜひご自宅でお楽しみください。
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