<果実ジュースを飲むなら知っておきたい豆知識>みかん農家がみかんジュースを商品化して知ったこと。
こんにちは。佐賀県唐津市のみかん農園・大場農園です。今日のブログのお題は、みんな大好きジュースの話。
朝食のお供に、お子様もおやつに、仕事のおともにも、果物のおいしさを手軽に楽しめる果汁100%のジュース。習慣にして飲んでいるかたも多いのではないでしょうか。私はグレープフルーツ100%ジュースがお気に入りで、若い頃に良く飲んでいました。
(みかん専業農家の)大場農園でも、自分たちで生産したみかんだけを原料にして「おいしいみかんジュース」をつくろう!ということになり、いろいろ勉強していくなかで、実は「果汁100%」ジュースにも色々な種類や選び方のコツがあることを知りました。
この記事では私が学んだことを、「生活に、健康に、ちょっと役立つ豆知識」として、みなさまにお届けしたいと思います!
■果汁飲料の基礎知識
➖好きな果実ジュースは何ですか?
みなさんは、何のジュースが好きですか? 店頭にはさまざまな種類のジュースが並んでいますが、人気が高いのはやっぱり「みかんジュース」「りんごジュース」。この2つでおよそ7割を占めるというデータ※があります。
※平成20年果実飲料需要量(日本果汁協会調べ、平成22年消費者庁公開「果実飲料の流通状況」の資料より)
ただし、集計された果実飲料は、JAS品のみ
ちなみに我が家のちびっ子(1歳・3歳)はアンパンマンブーム。味はなんでもいいから、アンパンマンのジュース一択です(笑)子どもに限らず、パケ推しでジュースを選んでいる方もいるかもしれませんね。
➖実は輸入がおおい、日本の果汁市場
スーパーやコンビニの棚にも必ず並んでいる、子どもから大人まで大人気の果実ジュースですが、その多くが輸入に支えられているのをご存知ですか? 日本果汁協会のレポートによると、2023年の果汁輸入量はおよそ19万トン。 オレンジ果汁(5.34万KL)・りんご果汁(5.07万KL)・ぶどう果汁(3.65KL)で輸入果汁全体の7割を占めています。
出典:日本果汁協会ホームページ
国内でも「りんご」「みかん」の果汁が生産されていますが、その数量は輸入に比べるとごくわずか。 国内産の果汁ジュースは、JAや農家がその産地のこだわりとともに、販売していることが多そうです。
■果実ジュースの作り方
それでは、果実ジュースはどのように作られるのでしょう?代表的な製法を見てみましょう。
➖ストレートジュース
果物を収穫したら、まず農家の目と手で選別。ジュースにすると決めた果実を洗浄したら果汁を絞っていきます。
例えばみかんの場合は、外の皮ごと絞るのか、皮を剥いて圧搾するのか、半分に切って果肉だけ搾汁するのかと、絞り方もいろいろ。
絞り方は果汁の味に大きく影響をあたえるので、ここにこだわることは大切です。
そのあとは熱で殺菌、ビンやペットボトルなどへパッケージします。 これが一番シンプルな製造方法で、このように作られたジュースは「ストレートジュース」と呼ばれます。
➖濃縮還元ジュース
しかし、輸入するならストレートジュースをそのまま運ぶのはとても大変です。
そこで果汁を搾汁した段階で、果汁から「水分を取り除いてカサを減らし」ぎゅっと濃縮された果汁を運搬してから、水を加えて果汁の濃度を100%に戻す「濃縮還元」という方法があります。
こうして作られたジュースは「濃縮還元ジュース」と呼ばれます。
- 濃縮還元ジュース
- 輸入果汁をコストを抑えて運搬できるため価格が安く、パッケージの時に調合するので1年中同じ味の商品が手に入ります。 ただし、加工の工程が多い分、素材の風味が損なわれ、栄養素も変化します。味を補うために、砂糖や香料が入っている場合もあるので注意が必要です。
- ストレートジュース
- 生の果実のおいしさ、栄養素をできるだけ壊さずにそのまま摂取できるのがポイントですが、価格は高めです。 果物の生産者や生産者団体(JA)が珍しい品種や独自のこだわりで製造していることも多く、いろいろな味が楽しめます。
➖果汁の濃さでも分類される
また、果汁の濃度が100%ではないジュースもあります。
- 果汁入り飲料
- ジュースに占める果汁の割合が10%〜100%未満のジュースです。手軽な価格で果物の風味を楽しめますが、果汁以外にもさまざまな原料が使われています。
店頭でよく見かけるジュースを分類するとこんな感じです。
- 濃縮還元ジュース
- トロピカーナ/キリン サンキスト/森永乳業 ポンジュース/愛媛飲料
- ストレートジュース
- 各地のJAや農家がそれぞれのこだわりで販売中
- 果汁入り飲料
- なっちゃん/サントリー Qoo /コカコーラ バヤリース/アサヒ飲料
■見分け方
この果実ジュースの種類をどのように見分るために注目してほしいのは、パッケージの裏側。
消費者庁が定めたルールで書かれた食品ラベルを見ると、見分けることができますよ。
- 名称
- 「その内容を表す一般的な名称を表示する。」というのがルールです。
ここをみると、どの分類のジュースなのかわかりますね!
【 みかんジュース(濃縮還元)】濃縮還元の100%ジュースです。
【 みかんジュース(濃縮還元・加糖)】濃縮還元の100%ジュースですが、甘味を加えるために加糖されています。
【みかんジュース】または【みかんジュース(ストレート)】ストレート果汁の100%ジュースです。
【 20%果汁入りみかんジュース】原料の一部に果汁を使ったジュースです。
- 原材料名
- 原材料名には、「原料が多い順」「一番多い原料には産地を添えて」「添加物まで全て記載する」というルールがあります。
原材料名の欄に例えば「オレンジ(ブラジル産)/香料」と書いてあれば、原料はオレンジが一番多く、添加物として香料も使っています。ということです。
この欄に「みかん(佐賀県産)」など果実名だけの場合は、原料は果実100%ということです。
健康習慣として果汁ジュースを飲んでいる方は、そのジュースに果実以外の余計なものが入っていないか、チェックしてみてくださいね。
■ストレートジュース(果汁100%)なら、大場農園の「夏織しぼり」がおすすめ
ここまで、果実ジュースの見分け方・選び方をお伝えしてきましたが、健康のため・美容のために果実ジュースを飲もうと思っている方必見!大場農園の「夏織しぼり」をご紹介します。 夏織しぼりは、大場農園が自ら生産するハウスみかんだけを原料にした果汁100%のストレートジュースです。
-ハウスみかんって何?普通のみかんと違うの?
『ハウスみかん』はその名のとおり、ビニールハウスの中で栽培さています。
品種は「温州みかん」ですが、旬の季節は逆転して「夏」 みかんの生産全体を100%とすると、そのうちたった2.5%(年間約17,500トン)しか流通しない、特別なみかんです。
特別な理由は、「みかんがおいしくなる最高の1年」を「農業の技術と人の手で再現している」こと。
ビニールハウスの中には暖房装置や換気扇、ビニールの開閉ができる装置が付いていて、みかんのおいしさをもっともっと引き出すように手をかけます。そうすると旨み濃い果汁と、とろけるような食感のみかんに仕上がります。
その値段は冬のみかんの3倍〜5倍ほどする、メロン級の高級フルーツとして取り扱われています。
おいしいけれど、その分栽培にとてもお金がかかるのがハウスみかん。なので、ハウスみかんを原料にしたジュースはあまり見かけることがありません。だから、「夏織しぼり」はちょっと特別なみかんジュースです。
大場農園の夏織しぼりは、こちらから購入できます。2024年産はのこりわずか、無くなり次第終了なので、気になった方はお早めに。
■さいごに、みかんの品種のこと
みかんのストレートジュースを買おうと思った方へ。
「ストレートジュース みかん」で検索した時にでてくる疑問、みかんの種類(品種)のことに少しだけ触れておきたいと思います。
みかんの品種はたくさんあり、今も増え続けています。
オレンジジュースとみかんジュースは、原料が「オレンジ」と「みかん」なので、別物です。
他にもよく見かけるのは「ポンカン」「不知火」「せとか」「はっさく」など。全部まとめて「みかんジュース」と販売していることもあれば、品種の名前が商品になっているものもあります。
もちろん、品種によって味の特徴はさまざまなので、いろいろな果実ジュースを取り寄せてぜひ飲んでみてくださいね。
おわりに
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
「海と空と、みかん」の大場農園では、生の果実もシーズン前から予約販売しています。生の果実を絞った「生搾りジュース」の味は格別です♪
人気のコンテンツ
「ハウスみかん」はみかん全体のたった2.5%の、流通量の少ない、希少な柑橘です。
みかんの旬の情報をチェックいただくと、いちばん美味しい瞬間を逃さずにお求めいただけます。